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改正ストーカー規制法でGPSを悪用したストーカーを規制できる


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自分が思いを寄せる人のことは何でも知りたいと思うのは、もしかしたらごく自然な行為なのかもしれません。

 

でも、相手が同じように自分に対して好意を持ってくれるとは限らず、自分の思いが届かないとわかるや相手に対する愛情はゆがんだ形で心を支配し、ストーカー行為を繰り返すことにつながるケースは少なくありません。

 

自分の好きな人を待ち伏せして思いを告白するなんて経験は、もしかしたら誰にでも青春の思い出として一度や二度は持っているかもしれません。


けれどもそこに愛情がゆがんだ形で影響すると、度を越したストーカー行為につながることがあります。

 

こんなにあなたのことを思っているのに、なぜわかってくれないんだという逆恨みから、傷害事件に発展してしまうことさえあるのです。


そんなおぞましい状況にさらされている人にとって、常に自分の居場所を相手に知られてしまう恐怖は計り知れません。


位置情報を把握するシステムとストーカー行為


全国の警察が被害者から相談されているストーカーに関する相談は2万件以上にも上ると言われています。

 

SNSGPSなどを誰もが取り扱えるようになってストーカー規制法ができた当時とは明らかに手段も変わってきてより巧妙化しています。

 

しかし、残念ながら巧妙化するストーカー行為を規制するためのものでありながら、法律のほうが後追いの形になってしまっている感は否めません。

 

GPS機能つきのアプリを本人の知らないうちに勝手にスマホにインストールさせて相手の居場所を常に把握できるようにしたり、


本人の知らないうちに勝手にGPSを車に取り付けて行動を把握するなどの被害が多発しています。


ストーカー被害に直面した人々の恐怖は計り知れない


こんな風にGPSを使って相手の行動や居場所を特定することは、ストーカーにとってはこの上もない喜びであり、最高の情報を常に得られている状態を作り出すことになります。

 

そして相手が今いる場所を特定して、効率よく待ち伏せすることももちろんできるし、自宅に帰ってきた瞬間に電話をかけて帰宅したことを見張っているような口調で話しかけるなどは、相手に恐怖心を与えておびえる様子にこの上ない喜びを見出すという卑劣極まりない行為です。

 

そして相手の行動を把握してこのように直接接触せずに恐怖心を植え付けることで満足するだけでなく、相手が在宅の時を確実に把握できるため、その時間を狙って宅配員などを装って自宅に無理やり侵入し、危害を加えるなどのエスカレートした行為に発展することも十分に考えられるのです。


凶悪事件に発展しかねないストーカー被害は増えている


ストーカー事件は一歩間違えれば殺人などの凶悪事件に発展しかねないため、全国の警察はストーカー対策には真剣に取り組んでいると言われます。

 

それでもストーカー規制法が施工された20年前と比較すると10倍もの相談が寄せられるようになったことからもわかるように、ストーカー被害は確実に増えていて、その陰湿で悪辣な行為に苦しめられ恐怖に震えている人は大勢いることは間違いありません。

 

そんなGPS危機を悪用して相手の承諾を得ることなく位置情報を把握する行為などを規制対象に追加する改正ストーカー規制法が、ようやく衆院本会議で可決されて成立しました。


この法律の改正は今回で3回目になり、8月にも全面的に施行されることとなりました。

 

ただ、これだけ技術が進歩している中でストーカー行為自体がどんどん巧妙化してエスカレートしているため、いくら改正して法的行為を規制することができたとしても、
またすぐに新しい手段が悪用されて事件につながるような悪質ストーカー行為をする卑劣な人間が出てきてしまうのではないかというのはおそらく多くの人が抱く不安だと思います。

 

ただ、今回の改正によって装置を使って位置情報を取得する行為自体を規制することができるようになったので、今後技術がさらに進歩してGPS機器とは全く違う装置が出現してストーカー行為に悪用されたとしても、迅速に対応できると警察庁は説明をしているようです。


改正ストーカー規制法で何が変わったか


改正以前のストーカー規制法は勤務先や学校などなのように普段所在する場所付近で見張りをする行為が禁止されているものでした。

 

今回の改正には本人の知らないところでGPS装置を取り付けて動静を把握する事件があった際に、この行為が見張りに当たるかどうかの結論が分かれ、その結果最高裁では見張り行為には当たらないと判断した裁判が影響していると言われます。

 

明らかにストーカー被害の実態からはかけ離れており法律の不備が指摘されたことから、GPSの取り付けそのものやアプリを利用して勝手に相手の位置情報を取得する行為が対象になるよう規制の拡大が行われたというのが改正の内容です。

 

自分の位置情報を自分の知らないところで勝手に把握されることは、安全や安心を奪う極めて重大な人権侵害に当たります。

 

GPSの技術によって様々な情報を得やすくなり、有用なデータを簡単に取得できるようになったことは本来は素晴らしいことです。けれども、どんな素晴らしい技術も悪用される危険性をはらんでいます。

 

技術がこれだけ発展したのに、ストーカー犯罪に繋がりかねないGPSの無断使用を抑制する明確な法律がなかったことそのものが、ちょっと驚きではありました。